床矯正(しょうきょうせい)とは、抜歯せずに顎を広げることで歯並びを整える治療法です。
一般的な矯正治療では歯並びを整えるために抜歯することが少なくありませんが、床矯正の場合は上記のように抜歯は行いません。
現代の子どもたちは昔に比べると顔が小さい子が多く、そのぶん顎まで小さくなったといわれています。
しかし歯の大きさは昔のままなので、顎が小さいためにキレイな歯並びをつくるために十分なスペースを確保できないという問題が起きやすくなっています。
その結果、乱くい歯や不正咬合といった悪い歯並びができてしまいます。
成長段階にある子どもの場合は、取り外し式の床矯正装置を使用することで顎の大きさを広げ歯並びを整えることが可能です。
床矯正装置は取り外し式ですが、毎日14時間以上は装着する必要があります。
装置を取り外すのは、主に飲食時や歯磨きをするとき、国語の授業などで発音しづらさを感じたときです。
また、装置のことをからかわれた場合も無理に装着を続ける必要はありません。
それ以外のときは装着を続けることになりますので、慣れるまでは大変かもしれません。
そのようにして小さな頃に床矯正を行なうことで、大人になってからの矯正治療を行なうリスクを下げるという効果も期待できます。
ただ、すべての症例が床矯正のみで治療できるわけではありません。
また、装置の使用をやめると歯並びが元に戻ってしまうというケースもあります。口元の筋肉を動かすときのクセや寝相といった生活習慣が、その原因として考えられています。